徒花 ‐ADABANA‐

ウイルスの蔓延で人口が激減し、延命措置として上層階級の人間だけに「それ」の保有が許された。死が身近に迫る新次(井浦新)は、臨床心理士まほろ(水原希子)に自分の「それ」に会わせてほしいと懇願する。新次の「それ」は、自分と同じ姿をしながらも、異なる内面を持ち、純粋で知的であった。「それ」と対面した新次は、次第に「それ」を殺してまで、自分は生きながらえるべきなのか、心が乱されていき…。タイトルの『徒花(あだばな)』とは、「無駄な花」を意味するが、そこにこめられた美学と生命の価値とは。甲斐さやか監督が20年以上をかけ構想し書き上げ、満を持して映画化されたオリジナル作品。ここではないどこかの物語を描くことで、今ここにある「怖さ」を突きつける。(2024年製作/94分/G/日本)

(C)2024「徒花 ADABANA」製作委員会 / DISSIDENZ

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