カテゴリー別アーカイブ: 次回上映作品

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チャップリン

「喜劇王」の呼び名で知られる20世紀の映画スター、チャーリー・チャップリンのルーツに迫ったドキュメンタリー。ドタバタ喜劇に庶民の哀愁や社会風刺を巧みに取り入れた作品の数々で、世界中の人々を魅了したチャーリー・チャップリン。ちょび髭にだぶだぶのズボン、ステッキ、山高帽がトレードマークのキャラクター・放浪紳士には、ロマのアイデンティティが垣間見える。本作ではチャップリンがロマの血を引き、そのことを誇りに思っていたことが明かされ、極貧の少年時代からスイスで過ごした晩年までをたどる。チャップリン家が全面的に協力し公認した初のドキュメンタリー作品として製作され、チャーリーの息子マイケル・チャップリンが製作・出演、孫カルメン・チャップリンが監督を担当。劇中ではマイケルが父チャーリーの足跡をたどり、俳優で娘のジェラルディン・チャップリンらが家族の視点からチャーリーの素顔を語る。さらに、ジョニー・デップやエミール・クストリッツァら、チャップリンを敬愛する著名人たちも登場。家族が撮影したプライベート映像や貴重な記録映像を交えながら、作品に投影された幼少期の記憶や、ユダヤ人・共産主義者のレッテル、そして放浪紳士に通じるロマの特徴や文化を掘り下げる。(2024年製作/94分/スペイン・オランダ・イギリス・フランス合作)

(C)The Caravan Trail, A.I.E, Kwanon Films Limited, and Submarine Sublime 2024
Charlie Chaplin TM (C) Bubbles Incorporated S


白の花実

オムニバス映画「21世紀の女の子」の一編「reborn」を手がけ、中編「レイのために」や短編「木が呼んでいる」などの作品で注目を集めた新鋭・坂本悠花里による初の長編監督作品。全寮制の女子高を舞台に、完璧と思われた少女の突然の死をきっかけに、ルームメイトや幼なじみたちの心が揺らいでいく様を、耽美かつ繊細に描いたファンタジードラマ。周囲になじめず転校を繰り返してきた少女・杏菜は、静かな森の奥にある全寮制の女子校にたどり着く。そこで、美しく完璧で誰からも好かれる少女・莉花とルームメイトになるが、ほどなくして莉花は自ら命を絶ってしまう。残された日記には、笑顔の裏に潜んでいた苦悩や怒り、痛み、幼なじみ・栞との記憶、そして言葉にできなかった思いがつづられていた。杏菜がその日記を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような魂が現れ、静かに杏菜の中へと入り込んでいく。一方、杏菜を「変わった子」だと遠ざけていた栞もまた、莉花の魂に導かれるように次第に杏菜に歩み寄っていく。主人公・杏菜を演じたのは、サントリー天然水「スパークリングレモン」のCMや雑誌のモデルとして活躍する美絽。栞役は、結婚情報誌「ゼクシィ」の15代目CMガールを務め、ドラマや映画などでも活躍する池端杏慈。莉花役には、ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」で知られる蒼戸虹子が扮した。少女たちを取り巻く大人のキャストには、門脇麦、河井青葉、伊藤歩、吉原光夫ら実力派がそろっている。(2025年製作/110分/G/日本)

(C)2025 BITTERS END/CHIAROSCURO


WHO?

コロナ禍に見舞われた社会の光と闇を描いたドキュメンタリー。2024年9月28日、東京・有明で大規模なデモが実施された。横断幕やプラカード、参加者が着用するTシャツには、政府が推奨するワクチンやWHOに対する痛烈な批判が記されていた。その年、同様の大規模デモは各地で行われていたが、マスコミがその全貌を報道することはなかった。デモ参加者たちへのインタビューを通して、彼らがなぜデモを起こすようになったのか、何に対して問題を提起しているのかを浮き彫りにする。監督は「君たちはまだ長いトンネルの中」「縁の下のイミグレ」のなるせゆうせい。(2025年製作/100分/G/日本)

(C)WHOkarakokuminnwomamoruundo


ぼくの名前はラワン

難民としてイギリスに渡った、ろう者のクルド人少年の成長を追ったドキュメンタリー。イラクで暮らすクルド人の少年ラワンは、生まれつき耳が聞こえない。ラワンが5歳の時、両親は国外への移住を決断。家族は数カ月を難民キャンプで過ごした後、支援者の協力を得て、ようやくイギリスの都市ダービーに安住する。その後、ラワンはダービー王立ろう学校に通えることになり、少しずつイギリス手話と口話を学び始める。みるみる上達するラワンは、やがて周囲と同じように手話だけで生きていく道を選ぶ。兄もラワンと意思疎通するため手話を学び始めるが、イラクでは手話だけでは人として対等に扱われないため、両親は息子の選択に不安を抱いていた。手話を嫌がる両親にラワンがいら立ちを募らせる中、一家が申請していた難民認定について内務省の審査が始まる。SXSW(サウス・バイ・サウスウエスト)やBFIロンドン映画祭などで高い評価を受けてきたエドワード・ラブレースが監督を務め、4年の歳月をかけてイギリス手話や周囲との友情がラワン少年を成長させていく姿をカメラに収めた。(2022年製作/90分/G/イギリス)

(C)Lawand Film Limited MMXXII, Pulse Films, ESC Studios, The British Film Institute


チャック・ベリー ブラウン・アイド・ハンサム・マン

ロックンロール創始者の代表格で、「ロックの父」の異名を持つアーティスト、チャック・ベリーのドキュメンタリー。1950年代にギター主導のビートとストーリーテリング的な歌詞を融合させ、ロックンロールの原型を作りあげたチャック・ベリー。若者文化とアイデンティティを音楽で表現し、若者中心の大衆音楽という新しい潮流を築いた。人種の壁を超えて人気を博した初の黒人ロックンローラーとしても知られ、後続の黒人アーティストたちの道を切り拓いたパイオニアでもある。1986年にはロックの殿堂入りをした最初のアーティストの1人となり、84年にグラミー賞特別功労賞(生涯業績賞)、2000年にケネディ・センター名誉賞を受賞した。本作には、チャック・ベリー本人のインタビューやパフォーマンスに加え、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ジミ・ヘンドリックス、キース・リチャーズ、ポール・マッカートニー、ブルース・スプリングスティーンといったロック界のレジェンドたちが彼の名曲をカバーした映像を収録。「カラーパープル」「リーサル・ウェポン」シリーズの名優ダニー・グローバーがナレーションを務めた。(2020年製作/55分/アメリカ)

(C)2020 CB, Doc. LLC.


安楽死特区

「夜明けまでバス停で」の高橋伴明監督が、安楽死を題材に描いた社会派ドラマ。「安楽死法案」が可決された近未来の日本。国家戦略特区として、安楽死を希望する者が入居しケアを受けられる施設「ヒトリシズカ」が開設されたが、倫理と政治の最前線で物議を醸す存在となっていた。難病を患い余命半年を宣告されたラッパーの酒匂章太郎は安楽死法に反対しており、パートナーでジャーナリストの藤岡歩と共に、特区の実態を内部告発することを目的に「ヒトリシズカ」に入居する。施設には、末期がんに苦しむ池田とその妻・玉美、認知症を抱える元漫才師の真矢など、さまざまな境遇と苦悩を抱える入居者たちが暮らしていた。彼らとの交流や医師たちとの対話を通じて、章太郎と歩の心は少しずつ変化していくが……。「『桐島です』」の毎熊克哉が章太郎、「夜明けまでバス停で」の大西礼芳が歩を演じ、平田満、筒井真理子、余貴美子、加藤雅也、板谷由夏、下元史朗、奥田瑛二、友近、鈴木砂羽が共演。医師・作家の長尾和宏による同名小説を原作に、「野獣死すべし」などの丸山昇一が脚本を手がけた。(2025年製作/129分/日本)

(C)「安楽死特区」製作委員会

劇場版 米寿の伝言

死んだ祖父と孫の身体が入れ替わってしまったことから巻き起こる騒動を描いたハートフルコメディ。俳優の道をあきらめた過去を持つ81歳の元教師・西本匡克が俳優である2人の実孫とともに出演して話題を呼んだ舞台「米寿の伝言」を映画化し、85歳となった西本が映画初主演を務めた。発明家である変わり者の祖父・米蔵が、米寿を前に他界した。孫のキョウヘイとその弟キッペイが祖父の遺した発明品を整理していると、誤作動により棺桶の中の祖父とキッペイの中身が入れ替わってしまう。米蔵との再会に喜んだのもつかの間、発明品は故障し元に戻すことができなくなる。火葬までに弟を救うべく奔走するキョウヘイだったが……。「ポプラン」の西本健太朗とテレビドラマ「3年A組 今から皆さんは、人質です」の西本銀二郎が舞台版に続いてキョウヘイとキッペイを演じ、長谷川かすみ、山田姫奈、中川パラダイス、浜野謙太が脇を固める。西本匡克の実娘である西本浩子がプロデューサーを務め、「散歩時間 その日を待ちながら」などの脚本家・ガクカワサキが長編初メガホンをとった。(2025年製作/61分/G/日本)

(C)米寿の伝言



センチメンタル・バリュー

「わたしは最悪。」で世界的に注目を集めたスウェーデンのヨアキム・トリアー監督が、愛憎入り混じる「親子」という名のしがらみをテーマに撮りあげた家族ドラマ。オスロで俳優として活躍するノーラと、家庭を選び夫や息子と穏やかに暮らす妹アグネス。ある日、幼い頃に家族を捨てて以来、長らく音信不通だった映画監督の父・グスタヴが姿を現し、自身にとって15年ぶりの新作となる自伝的映画の主演をノーラに打診する。父に対し怒りと失望を抱えるノーラは断固として拒絶し、ほどなくしてアメリカの人気若手俳優レイチェルが主演に決定。やがて、映画の撮影場所がかつて家族で暮らしていた思い出の実家であることを知ったノーラの心に、再び抑えきれない感情が沸きおこる。「わたしは最悪。」でも主演を務めたレナーテ・レインスベが主人公ノーラを演じ、名優ステラン・スカルスガルドが映画監督の父グスタヴ役で共演。妹アグネスをインガ・イブスドッテル・リッレオース、アメリカの人気俳優レイチェルをエル・ファニングが演じた。2025年・第78回カンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。2025年・第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。グランプリ受賞。(2025年製作/135分/G/ノルウェー・フランス・デンマーク・ドイツ合作)

(C)2025 MER FILM / EYE EYE PICTURES / LUMEN / MK PRODUCTIONS / ZENTROPA ENTERTAINMENTS5 APS / ZENTROPA SWEDEN AB / KOMPLIZEN FILM / BRITISH BROADCASTING CORPORATION / ARTE FRANCE CINÉMA / FILM I VÄST / OSLO FILM FUND / MEDIEFONDET ZEFYR / ZDF / ARTE


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