カテゴリー別アーカイブ: 次回上映作品

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そして彼女たちは

「ある子供」「少年と自転車」などで知られるベルギーの名匠ジャン=ピエール&リュック・ダルデンヌ兄弟が、母子支援施設で暮らす5人の若き母親たちを描いた群像劇。若くして妊娠した女性たちを支援する施設で共同生活を送る、ジェシカ、ペルラ、アリアンヌ、ジュリー、ナイマの5人の少女。頼る人を持たず、貧困や暴力などさまざまな問題を抱える彼女たちは、戸惑い、悩み、目指すべき家族像を見いだせないまま母親になる。押し寄せる孤独感に飲み込まれそうになりながらも「愛する」ことを望む少女たちは、時に誰かに寄り添われ、それぞれが歩むべき道を選びとっていく。「CLOSE クロース」のルーカス・ドン監督が共同プロデューサーに名を連ねた。2025年・第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に出品され、脚本賞とエキュメニカル審査員賞を受賞。(2025年製作/104分/G/ベルギー・フランス合作)

(C)Les Films du Fleuve – Archipel 35 – The Reunion – France 2 Cinéma – Be Tv & Orange- Proximus – RTBF (Télévision belge) / Photo(C)Christine Plenus


落下音

北ドイツの農場を舞台に、それぞれ異なる時代を生きる4人の少女が体験する不可解な出来事を描いた映像叙事詩。1910年代、アルマは同じ村で自分と同じ名前を持つ、幼くして死んだ少女の気配を感じる。1940年代、戦争の傷跡が残るなか、エリカは片足を失った叔父への抑えきれない欲望に気づき、自らの得体の知れない影に戸惑う。1980年代、アンゲリカは常に自分の肌にまとわりつく“何か”の視線におびえていた。そして現代、家族とともに移り住んだレンカは、自分の存在が消えてしまいそうな孤独感にさいなまれる。4人の少女の不安は百年の時を経て響き合い、北ドイツの農場を静かに覆い尽くしていく。本作が長編第2作となるドイツ出身の新鋭マーシャ・シリンスキーが監督・脚本を手がけ、2025年・第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門にて審査員賞を受賞した(オリバー・ラクセの「Sirât」と同時受賞)。(2025年製作/155分/PG12/ドイツ)

(C)Fabian Gamper – Studio Zentral


私たちの話し方

聴覚に障がいのある3人の若者たちの変化と成長をみずみずしく描いた香港発の青春映画。20代のソフィーは3歳の時に聴覚を失い、人工内耳を装用することで「聞こえる人」として“普通”の生活を送ろうとしている。一方、ジーソンは生まれながらのろう者として、手話話者であることに誇りを持って生きている。アランは人工内耳装用者で、手話と口話のバイリンガルだ。手話禁止で口話教育を推進するろう学校で出会ったジーソンとアランは、お互いの環境の違いを認識しながらも、親友のまま大人になった。やがて、人工内耳を推奨するアンバサダーとしてアランとソフィーが出会うが、人工内耳の推進イベントでソフィーが語った「科学が発展すれば、この世からろう者はいなくなる」という言葉にジーソンが激怒してしまう。「作詞家志望」「黄昏をぶっ殺せ」のジョン・シュッインがソフィーを演じ、ネオ・ヤウパンサー・チャンによる主題歌「What If」の作詞も担当。「狂舞派」「狂舞派3」で高く評価されたアダム・ウォン監督がメガホンをとった。2024年・第61回金馬奨にて最優秀主演女優賞(ジョン・シュッイン)を受賞。2025年・第20回大阪アジアン映画祭ではスペシャル・メンションを贈られた。(2024年製作/132分/G/香港)

(C)2024 One Cool Film Production Limited, Lee Hysan Foundation. All Rights Reserved.


エリス&トム ボサノヴァ名盤誕生秘話

1974年にブラジルのスター歌手エリス・レジーナとボサノバの創始者のひとりアントニオ・カルロス・ジョビン(トム・ジョビン)が共作した名盤「Elis & Tom」のレコーディング風景を記録したドキュメンタリー。約半世紀にわたり埋もれていたオリジナル映像を4Kリマスターし、現代のインタビューを追加して完成させた。軍事政権下のブラジルで国民的スターとして活躍していたエリスと、1960年代に「イパネマの娘」の大ヒットで世界的人気を博し、アメリカで活動していたトム。ポップスターのエリスと古き良きシンプルな音楽を好むトムとの相性は最悪で、エリスの当時の夫でアレンジャーだったセザル・カマルゴ・マリアーノとトムとの関係にも亀裂が生じていた。家族や関係者、バンドメンバーの証言とアーカイブ映像を通して、2人の音楽性の違いやレコーディングをめぐる葛藤を描き出す。エリスのマネージャーを務めた後、テレビ局でディレクターやプロデューサーとして活躍するホベルト・ヂ・オリベイラが共同監督を務め、本編にも登場して当時のエリスの複雑な心境や混乱した現場について証言する。(2022年製作/100分/ブラジル)

(C)O2 PRODUҪÕES ARTÍSTICAS E CINEMATOGRÁFICAS LTDA.


月の犬

萩原聖人が主演を務め、ひとりの女が見初めなければ出会うことがなかった2人の男の、生きることへの絶望を描いたノワールドラマ。長年連れ添った妻の病気に気づかず、妻を亡くしたことを悔やみ、極道の世界から離れた東島。彼は知らない街に流れ着き、その街のバーで沙織という女と出会う。東島に興味を持った沙織は、東島に仕事を任せるようになる。一方、犯罪組織の一員である南は、繰り返される日常に耐えられずにいた。そんな折、沙織を通じて東島の存在を知る。東島が日常の景色を変えてくれることを期待した南は、東島に将吾という少年の面倒を任せる。黙々と仕事をこなしてきた東島だったが、ある時、将吾の秘密を知ったことをきっかけに指示に背き、将吾を外に連れ出すが……。東島役を萩原聖人、沙織役を黒谷友香、南役を深水元基が演じ、渋谷そらじ、やべきょうすけ、中村映里子、大後寿々花、原日出子、寺島進らが脇を固める。監督は「観察 永遠に君を見つめて」で第1回田辺・弁慶映画祭映検審査員賞を受賞した横井健司。(2025年製作/101分/PG12/日本)

(C)PYRODIVE

ラプソディ・ラプソディ

「クロエ」「さよならドビュッシー」などの映画監督作を発表してきた俳優の利重剛が13年ぶりに長編映画のメガホンをとり、主演に高橋一生を迎えて撮りあげた人間ドラマ。人付き合いを避けながら生きてきた男性が、いつの間にか知らない女性に籍を入れられていたことをきっかけに、人生が思わぬ方向へ動き出す様子をユーモラスに描く。少し天然で絶対に怒らない男・夏野幹夫は、パスポート更新のため戸籍謄本を取得するが、そこに全く身に覚えのない「続柄:妻」の文字を見て驚く。「繁子」という女性が自分と勝手に籍を入れていたことを知った幹夫は、正体不明の彼女を探しはじめる。やがて、街角の小さな花屋で繁子を発見するが、彼女は触れるものすべてを壊してしまう、型破りな女性だった。そんな繁子に振り回される幹夫だったが、奇妙な出会いはいつしかふたりの人生に思いがけない変化をもたらしていく。心優しく繊細な主人公・幹夫を高橋一生、周囲を翻弄する謎のヒロイン・繁子をNHK連続テレビ小説「まんぷく」の呉城久美が演じ、芹澤興人、池脇千鶴が共演。さらに利重監督もキーパーソンとして自ら出演した。世界的ジャズピアニストの大西順子が音楽を担当。(2026年製作/106分/日本)

(C)2026 利重剛


シンプル・アクシデント 偶然

イランの巨匠ジャファル・パナヒが手がけ、2025年・第78回カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞したサスペンススリラー。不当に刑務所に投獄された人々が復讐を試みる姿を、スリリングかつユーモラスに描いた。かつて不当な理由で投獄されたワヒドは、自分を拷問した看守と思われる男と偶然出会う。咄嗟に強引な手段で男を拘束し、荒野に穴を掘って男を埋めようとするワヒドだったが、男のIDカードを見ると、復讐すべき相手と名前が違っていた。男も人違いだと言う。実は投獄中、目隠しをされていたワヒドは、男の顔を見たことがなかった。男は本当に復讐の相手なのか。確信が持てなくなったワヒドは、ひとまず復讐を中断し、同じ男に拷問された友人を訪ねることにするが……。反体制的な活動を理由にイラン政府から映画制作を禁じられながらも活動を続けるパナヒ監督が、自身が二度にわたって投獄された経験と、同房で出会った人々のリアルな声から着想を得て手がけた。「チャドルと生きる」「熊は、いない」でベネチア国際映画祭金獅子賞、「人生タクシー」でベルリン国際映画祭金熊賞を受賞しているパナヒ監督は、本作でカンヌ国際映画祭のパルムドールを受賞したことから、3大映画祭すべてで最高賞を受賞する快挙を成し遂げた。フランスとの共同製作作品で、第98回アカデミー賞の国際長編映画賞にフランス代表作品としてエントリーし、ノミネートを果たした。(2025年製作/103分/G/フランス・イラン・ルクセンブルク合作)

(C)LesFilmsPelleas


ジェイムズ・ブッカー 愛すべきピアノ・ジャンキー

天賦の才に恵まれながらも薬物中毒や精神疾患を抱え43歳で早逝した孤高のピアニスト、ジェームズ・ブッカーの生涯を描いた音楽ドキュメンタリー。1939年にニューオーリンズで生まれたジェームズ・ブッカーは、クラシックからジャズ、R&B、ロックなどのジャンルを横断するパフォーマンスで数々の大物ミュージシャンたちと共演し、ソロ活動でも高く評価された。その一方で、薬物・アルコール中毒や躁うつ病など多くの問題を抱える破天荒な人物としても知られ、1983年にヘロインとアルコール常習による腎不全で43歳でこの世を去った。本作では、ブッカー本人の貴重な演奏シーンをふんだんに盛り込みながら、ドクター・ジョン、アラン・トゥーサン、チャールズ・ネビル、ハリー・コニック・Jr.らニューオーリンズを代表するミュージシャンたちが思い入れを込めてブッカーについて語り、ニューオーリンズと音楽の神に愛された男の人生をひも解いていく。「Peter Barakan’s Music Film Festival 2025」では「ジェイムズ・ブッカー ニュー・オーリンズのピアノ王子」のタイトルで上映された。(2013年製作/98分/アメリカ)

(C) 2013 Bayou Maharajah LLC (C) Anton Corbijn


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