カテゴリー別アーカイブ: 次回上映作品

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サタンがおまえを待っている

1980年代のアメリカで悪魔崇拝に関する儀式を被害者目線で記した書籍をきっかけに起きた、「サタニック・パニック」とも呼ばれる社会的な騒動の真相に切り込んだドキュメンタリー。1980年にミシェル・スミスとその精神科医ローレンス・パズダーの共著として出版された「ミシェル・リメンバーズ」。「エクソシスト」「オーメン」などのヒットでオカルトや悪魔が注目を集めるなか、ミシェルは退行催眠のようなセラピーにより、心の奥深くに封じ込めてきた禁断の記憶を思い出す。それは、彼女が5歳の頃に悪魔崇拝教団に引き渡され、儀式に捧げられたという衝撃的な記憶だった。残虐な儀式の様子を詳細に描写した同書の内容はテレビのバラエティ番組やワイドショーでも取り上げられ、大きく拡散される。さらに、自分も幼い頃に儀式に参加させられたという告発が続出し、カトリック教会やローマ教皇、FBIをも巻き込んだ大騒動へと発展していく。映画では、ミシェル・スミスとローレンス・パズダーの親族をはじめ、サタン教会のブランチ・バートンや当時を知るFBI捜査官、配信者らにインタビューを行い、さまざまな角度から悪魔崇拝の実態とパニックの真相に迫る。サタン教会の創始者アントン・ラベイの姿など、貴重なアーカイブ映像も多数収録。(2023年製作/90分/カナダ)

(C)666 Films Inc.


満天の星

1944年8月22日に沖縄から九州へ向かっていた学童疎開船・対馬丸が、米軍の潜水艦に撃沈された対馬丸事件。事件後、箝口令が敷かれたことで詳細が謎に包まれていたこの事件を、数々の証言などから検証するドキュメンタリー。一夜にして784人の子どもたちが命を落とした戦時下最大の学童死亡事件、対馬丸事件。この事件は長らく秘匿されていたが、事件の生存者で、対馬丸の甲板員として乗船していた中島髙男は、沈没の衝撃でバラバラになった筏で漂流しながら7人を救助し、奇跡的に生還していた。しかし事件に関する厳しい情報統制の中で、彼は苦しみ続けた。彼の孫である俳優の寿大聡は、祖父の死をきっかけに事件の真相を探る旅に出る。戦争の理不尽さや人々の記憶に埋もれた真実を追求する寿大の旅は、やがて戦地であるウクライナにも及ぶ。オシアウコ名義で「ニワトリ★スター」「神在月のこども」などをプロデュースしてきた葦澤恒が、寿大と2人で監督を務めた。ナレーションを声優の田中真弓が担当。(2025年製作/84分/G/日本)

(C)2024 映画「満天の星」製作委員会


大統領暗殺裁判 16日間の真実

1979年に韓国のパク・チョンヒ(朴正煕)大統領が中央情報部部長キム・ジェギュに暗殺された事件の裁判を中心に、1979年10月26日の大統領暗殺から同年12月12日の軍事クーデターに至る一連の事件に巻き込まれた3人の男たちの姿を、史実に基づいて描いたサスペンス。勝つためには手段を選ばない弁護士会のエースであるチョン・インフは、上官の命令によって大統領暗殺事件に関与した中央情報部(KCIA)部長の随行秘書官パク・テジュの弁護を引き受ける。軍人であるパク・テジュは、ひとりで軍法裁判にかけられ、最初の公判からわずか16日後に最終判決が下されることになっていた。しかし、この裁判は後に軍事クーデターを起こす巨大権力の中心人物、合同捜査団長チョン・サンドゥによって不正に操られていたことが明らかとなる。ドラマ「賢い医師生活」のチョ・ジョンソクが主人公チョン・インフ役を担当。「パラサイト 半地下の家族」などに出演し、2023年12月に亡くなったイ・ソンギュンがパク・テジュ役を務め、本作が最後の作品になった。チョン・サンドゥ役は、ドラマ「梨泰院クラス」や「劇映画 孤独のグルメ」で知られるユ・ジェミョン。監督・脚本は「王になった男」のチュ・チャンミン。(2024年製作/124分/G/韓国)

(C)2024 NEXT ENTERTAINMENT WORLD & PAPAS FILM & OSCAR10STUDIO. A


六つの顔

「ジョゼと虎と魚たち」「のぼうの城」の犬童一心監督が、人間国宝の狂言師・野村万作を追ったドキュメンタリー。日本で650年以上にわたり受け継がれてきた伝統芸能・狂言の第一人者であり、芸歴90年を超えて現在もなお舞台に立ち続ける野村万作。2023年には文化勲章を受章し、翌24年6月には受章記念公演を開催、ライフワークとして磨き上げてきた珠玉の狂言「川上」を上演した。本作では、その公演が行われた特別な1日に寄り添いながら、万作が自身の過去に対して思い浮かべる“六つの顔”をアニメーションで表現するなど、大胆かつ繊細なアプローチで彼の芸境に迫る。狂言への思いを語る万作の姿に加え、息子・野村萬斎、孫・野村裕基へのインタビューも収録。さらに、「川上」の物語の舞台である奈良・川上村の金剛寺の荘厳な原風景もカメラに収め、万作が長年にわたり追求してきた世界観を、その至高の芸とともにスクリーンに映し出す。「頭山」でアカデミー賞短編アニメーション部門にノミネートされた山村浩二がアニメーションを手がけ、俳優のオダギリジョーがナレーションを担当。野村万作と野村萬斎が監修を務めた。(2025年製作/82分/G/日本)

(C)2025 万作の会


蔵のある街

昔ながらの街並みが残る岡山県倉敷市の美観地区を舞台に、街で花火を打ち上げようと奔走する高校生たちの奮闘を描いた青春ドラマ。コロナ禍に日本各地の約300の街で開催され人々に笑顔をもたらした「サプライズ花火」のエピソードをもとに、高校生たちの強い願いが街中の人々を巻き込んで大きな希望になっていく様子を描いた。倉敷市に住む高校生の蒼と祈一と紅子は、小学校からの幼なじみ。ある日、蒼と祈一は、紅子の兄で自閉スペクトラム症のきょんくんが神社の大木に登って叫んでいる場面に遭遇する。きょんくんをなだめようと、花火を打ち上げる約束をとっさに口走る蒼だったが、紅子から怒りの言葉をぶつけられてしまう。紅子の涙に約束の重みを痛感した蒼たちは、約束通り街で花火を打ち上げるべく奔走するが……。「君たちはどう生きるか」で主人公・眞人の声を担当した山時聡真が蒼、「九十歳。何がめでたい」の中島瑠菜が紅子を演じ、蒼たちの挑戦をサポートする学芸員・古城役でプロフィギュアスケーターの高橋大輔が映画初出演。監督・脚本は「小さいおうち」「家族はつらいよ」といった山田洋次監督作の助監督・共同脚本や「ひまわりと子犬の7日間」などの監督作で知られる、倉敷市出身の平松恵美子。手嶌葵が主題歌を担当。(2025年製作/103分/G/日本)

(C)2025 つなぐ映画「蔵のある街」実行委員会


最後のピクニック

60年ぶりに故郷を訪れた女性が親友と楽しい時を過ごすなかで、青春時代の思い出をよみがえらせていく姿と、それぞれの波乱万丈な人生を描いたヒューマンドラマ。大都会ソウルで息子家族と暮らすウンシムは、「宝島」と呼ばれる海沿いの町・南海(ナメ)に60年ぶりに帰郷し、親友グムスンのもとに身を寄せる。かつてウンシムに思いを寄せていたテホも交えて昔を懐かしみ、3人は和気あいあいとした日々を過ごす。忘れていた記憶をひとつずつ思い出し、懐かしさに心を躍らせるウンシムだったが、彼女が長年この地を離れていたのにはある理由があった。16歳の時に彼女の未来を決定的に変えてしまった出来事と、波乱に満ちた人生が明かされ、互いの現在を知ったウンシムとグムスンは、美しい花が咲き誇る草原へ最後のピクニックに出かけ、生まれ変わってもまた友だちになることを誓う。「怪しい彼女」のナ・ムニが主人公ウンシム、Netflixドラマ「イカゲーム」のキム・ヨンオクが親友グムスン、「チャンス商会 初恋を探して」のパク・クニョンがテホを演じた。監督は「怪談晩餐」のキム・ヨンギュン。(2024年製作/114分/G/韓国)

(C)2024 LOTTE ENTERTAINMENT & ROCKET FILM All Rights Reserved.


パトリックとクジラ 6000日の絆

クジラに魅せられたカメラマンと2組のクジラの親密な交流をとらえ、クジラの知られざる生態に迫ったドキュメンタリー。ウォール街の弁護士から水中カメラマンに転身し、BBCの海洋ドキュメンタリー「ブルー・プラネットII」で撮影を担当したエピソードで英国アカデミー賞を受賞した経験を持つパトリック・ダイクストラ。少年時代に博物館で見たシロナガスクジラのレプリカに衝撃を受けてクジラに魅了された彼は、水中カメラマンとして世界中を巡り、20年にわたりクジラを追い続けてきた。2019年のある日、パトリックはドミニカの大海原でメスのマッコウクジラと遭遇する。クジラはパトリックに興味を持ち、コミュニケーションを取ろうとしていた。パトリックはそのクジラに「ドローレス」と名付け、彼女がクジラの知られざる生態を教えてくれると信じて再び彼女を捜しはじめる。野生動物映像の世界で長年にわたり編集者・脚本家として活躍してきたマーク・フレッチャーが監督を務め、息をのむほど美しい海の映像とともにマッコウクジラの魅力を映し出す。(2022年製作/72分/オーストリア)

(C)Terra Mater Studios GmbH 2023


バード ここから羽ばたく

「フィッシュ・タンク」「アメリカン・ハニー」などで知られるイギリスの映画監督アンドレア・アーノルドが、世界の片隅に生きる孤独な少女に訪れた、魔法のような4日間を描いた青春映画。郊外の下町で、シングルファザーのバグと暮らす12歳の少女ベイリー。やり場のない孤独を募らせていた彼女は、草原で服装も言動も奇妙な謎の男・バードと知り合う。バードのぎこちない振る舞いの中にピュアな何かを感じ取ったベイリーは、両親を捜しているという彼を手伝うことになるが……。主人公ベイリー役には、学校演劇の経験しかなかった無名の少女ニキヤ・アダムズを抜てき。自己中心的な厄介者ながらも家族への愛情は深い父親バグを「イニシェリン島の精霊」のバリー・コーガン、正体不明の男・バードを「大いなる自由」などに出演するドイツの俳優フランツ・ロゴフスキが演じた。「哀れなる者たち」のロビー・ライアンが撮影監督を務め、16ミリフィルムのざらついた画質とスマートフォンによるデジタル映像を組み合わせた、カラフルで詩的な映像美で映し出す。2024年・第77回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。(2023年製作/119分/G/イギリス)

(C)2024 House Bird Limited, Ad Vitam Production, Arte France Cinema, British Broadcasting Corporation, The British Film Institute, Pinky Promise Film Fund II Holdings LLC, FirstGen Content LLC and Bird Film LLC. All rights reserved.


ムガリッツ

毎年11月から4月の半年間をメニュー開発に充てるため休業する、スペインの有名レストラン「ムガリッツ」の革新的な料理が生み出される過程を追ったドキュメンタリー。ミシュランガイドに「レストランを超えた存在」と評され2つ星を獲得した、スペイン・バスク地方の名店「ムガリッツ」。アーティスティックなオブジェだけを乗せたテーブル、カトラリーを使用せず手や舌を直接使って味わう料理など、従来のレストランコードを崩した独自の世界観で、これまでにない食空間を生み出してきた。毎年11月から4月の6カ月間は休業し、スタッフ総出でメニュー開発に専念する。その年に誕生した料理が翌年以降に提供されることはなく、革新的なメニューはつねに更新され続ける。「REC レック」シリーズをはじめとするホラー作品で知られ、自身もムガリッツの熱心なファンであるパコ・プラサ監督が、その創造の秘密を解き明かすべく厨房に潜入し、研究開発チームやシェフたちによるメニュー開発の舞台裏を映し出す。(2024年製作/96分/G/スペイン)

 


旅と日々

「夜明けのすべて」「ケイコ 目を澄ませて」の三宅唱が監督・脚本を手がけ、つげ義春の短編漫画「海辺の叙景」「ほんやら洞のべんさん」を原作に撮りあげたドラマ。「怪しい彼女」「新聞記者」のシム・ウンギョンを主演に迎え、行き詰まった脚本家が旅先での出会いをきっかけに人生と向き合っていく様子を、三宅監督ならではの繊細なストーリーテリングと独特の空気感で描き出す。強い日差しが降り注ぐ夏の海。浜辺にひとりたたずんでいた夏男は、影のある女・渚と出会い、ふたりは何を語るでもなく散策する。翌日、再び浜辺で会った夏男と渚は、台風が接近し大雨が降りしきるなか、海で泳ぐのだった……。とある大学の授業で、つげ義春の漫画を原作に李が脚本を書いた映画を上映している。上映後、質疑応答で学生から映画の感想を問われた李は、自分には才能がないと思ったと答える。冬になり、李はひょんなことから雪に覆われた山奥を訪れ、おんぼろ宿にたどり着く。宿の主人・べん造はやる気がなく、暖房もまともな食事もない。ある夜、べん造は李を夜の雪の原へと連れ出す。脚本家の李をシム・ウンギョン、宿の主人・べん造を堤真一が演じ、河合優実、髙田万作、佐野史郎が共演。(2025年製作/89分/G/日本)

(C)2025「旅と日々」製作委員会


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