カテゴリー別アーカイブ: 次回上映作品

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アイ・ワズ・ア・ストレンジャー

シリア内戦の長きにわたる戦禍を逃れるため1400万人が国外避難を余儀なくされたという現実に着想を得て、紛争により引き裂かれた家族と彼らを取り巻く人々の姿を多角的に描いた群像ドラマ。シリア、トルコ、ギリシャ、アメリカの4カ国を舞台に、5つの家族の人生が交差する物語を5章構成で描き出す。独裁政権が続くシリアで、政府軍と反政府組織の内戦が激化した。シリアの医師アミラは娘とともに安全な国へ逃れるため、危険な国境越えを決意する。国境を守るシリア兵ムスタファは残虐な政府軍に不信感を抱き、命令に従う兵士であるべきか、心ある人間でいるべきか苦悩する。トルコの密航業者マルワンは病弱な息子とアメリカへ移住するため、難民をギリシャ行きのボートに乗せて金を稼ごうとする。詩人のファティは妻子を連れてそのボートに乗り込むが、死の危機に直面する。ギリシャ沿岸警備隊のスタヴロスは嵐の海を航行する難民を発見し、人命救助に尽力するが……。映画プロデューサーで人道支援活動家でもあるブラント・アンダーセンが、2020年に手がけた短編映画「Refugee」を原点に自ら長編初監督・脚本・製作を手がけ、丹念にリサーチを重ねて撮りあげた。短編映画「Refugee」でも同役を務めたヤスミン・アル・マスリーが医師アミラ、オマール・シーが密航業者マルワンを再び演じた。(2024年製作/104分/G/アメリカ・ヨルダン・パレスチナ合作)

(C)2025 Refugee The Film.LLC


きれっぱしの愛

「ゴッドランド GODLAND」で世界的に注目を集めた北欧アイスランドの気鋭フリーヌル・パルマソンが監督・脚本を手がけ、片田舎に暮らす家族のささやかな日常を、移りゆく四季とともにユーモアと皮肉を交えて描いたドラマ。アイスランドの田舎町。アンナはしっかり者の長女イーダやいたずら好きな双子のグリームルとソルギルス、そして愛犬のパンダと暮らしながら、芸術家としての道を模索する日々を送っている。若くして結婚したマグヌスとはすでに別れているが、いまだに情を断ち切れず、元夫マグヌスは何かと理由をつけては家を訪ねてきて一緒に食卓を囲み、ピクニックにまで同行する。いつしか、まだ家族であるかのような日常を過ごすようになる彼らだったが……。コメディアン・俳優・歌手として活躍するサーガ・ガルザルスドッティルがアンナ役、「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」「蜘蛛の巣を払う女」などのスベリル・グドナソンがマグヌス役で絶妙な距離を保つ元夫婦を演じ、パルマソン監督の3人の実子と愛犬パンダが家族役で出演。2025年・第78回カンヌ国際映画祭にてパルム・ドッグ賞を受賞。(2025年製作/109分/G/アイスランド・デンマーク・スウェーデン・フランス合作)

(C)STILL VIVID, SNOWGLOBE, HOBAB, MANEKI FILMS, FILM I VÄST, ARTE FRANCE CINEMA


ヌーヴェルヴァーグ

「6才のボクが、大人になるまで。」「ビフォア」シリーズのリチャード・リンクレイター監督が、1950年代後半のフランスで起きた革新的な映画運動・ヌーベルバーグを代表する作品として知られるジャン=リュック・ゴダール監督作「勝手にしやがれ」製作の舞台裏を映画化。映画史に革命を起こした若者たちの姿を、フランス映画界を代表する映画作家たちとの活気ある交流とともに描き出す。1959年、フランス。映画批評誌「カイエ・デュ・シネマ」で執筆活動をしていた28歳のジャン=リュック・ゴダールは、フランスの若手俳優ジャン=ポール・ベルモンドとアメリカの人気女優ジーン・セバーグを主演に迎えた長編監督デビュー作「勝手にしやがれ」の制作を開始する。ゴダールの斬新で自由奔放な撮影手法に周囲は振り回されるが、映画づくりへの情熱を共有した撮影現場は活気に満ちていく。「勝手にしやがれ」のスタイルにならい、アカデミー比率(1:1.37)の白黒映像、全編ほぼフランス語で、キャストもジーン・セバーグ役のゾーイ・ドゥイッチ以外はほぼ無名の俳優陣で固めた。主人公ゴダール役には、写真家やモデルとして活動していたギョーム・マルベックを起用。2025年・第78回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。(2025年製作/106分/G/フランス)

(C)JeanLouisFernandez


デッドマンズ・ワイヤー

「グッド・ウィル・ハンティング 旅立ち」「ミルク」「エレファント」などで知られる名匠ガス・バン・サントが、1977年にアメリカ・インディアナポリスで発生した実際の事件をもとに描いたクライムスリラー。不動産投資会社メリディアン・モーゲージ社に財産をだまし取られたと主張する男トニーは、同社に押し入り、社長の息子で同社役員のディックを人質に取る。トニーは自分と人質の首をショットガンとワイヤーで結びつけ、動けば発砲される仕組みの「デッドマンズ・ワイヤー」を用いて立てこもり、警察も手出しできない状況を作り出す。現場からメディア出演を行うなど異例の行動を続ける中、世論は彼を非難する声と同情する声に分かれていく。膠着状態を打開しようと警察が突入に備える中、ついにトニーと社長が電話で話すことになるが……。実在した犯人トニー・キリシスを演じるのは、「IT イット」シリーズのビル・スカルスガルド。そのほか、人質となるディック役でデイカー・モンゴメリー、事件を追う刑事グレイブル役でケイリー・エルウィス、事件に巻き込まれるラジオDJ・フレッド役でコールマン・ドミンゴ、地元テレビ局レポーターのリンダ役でマイハラが共演。強引な手法で巨万の富を築いたメリディアン・モーゲージ社の社長M・L・ホールを名優アル・パチーノが演じる。音楽をダニー・エルフマンが担当。(2026年製作/105分/G/アメリカ)

©2025 Starlight Digital Ventures, LLC. All Rights Reserved.


新凱旋門物語

パリのランドマーク「新凱旋門」誕生の舞台裏で国家プロジェクトに翻弄された建築家の数奇な運命を、実話をもとに描いたヒューマンドラマ。ジャーナリストのロランス・コセによる著書「新凱旋門物語 ラ・グランダルシュ」を原作に、「ブレスレット 鏡の中の私」のステファン・ドゥムースティエが監督・脚本を手がけた。1983年。ミッテランは大統領就任後初の大規模プロジェクトとして、フランス革命200周年を祝う新モニュメントの建設を構想していた。国際設計コンペで選ばれたのは、キューブのように角張ったアーチ型の建物と、そのふもとに雲のような屋根が浮かぶ大胆なプランで、設計者はヨハン・オットー・フォン・スプレッケルセンという無名のデンマーク人建築家だった。スプレッケルセンはフランスで一躍時の人となるが、完璧を追い求める彼の前に、予算や政治的圧力、周囲の思惑が次々と立ちはだかる。「ザ・スクエア 思いやりの聖域」のクレス・バングが主人公スプレッケルセンを演じ、彼と協働するフランス人建築家アンドリュー役で「落下の解剖学」のスワン・アルロー、彼らの間を立ち回る官僚シュビロン役で俳優としても活動する映画監督グザビエ・ドランが共演。2025年・第78回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門出品。(2025年製作/106分/G/フランス・デンマーク合作)

(C)2025 AGAT FILMS, LE PACT


ビートルズがいた夏

ビートルズがやって来た1965年夏のニューヨークを舞台に、当時のニューヨークとそこにいた人々を多様な視点で描いたドキュメンタリー。1965年8月13日、ビートルズの4人は音楽史上初のスタジアムコンサートに出演するためニューヨークに降り立った。4人の姿を求めて大勢の熱狂的ファンがマンハッタンの街を駆けめぐる一方、コンサート会場となるシェイ・スタジアムのすぐ隣では楽天的な未来にあふれた万博が開かれ、西海岸では大規模な人種暴動が起こっていた。ニューヨークで最初にビートルズの曲を放送したラジオDJの息子で、作家を目指す17歳の青年ジェフリーは、ビートルズを愛する少女と出会い、その夏の数日間をともに過ごす。「ニコラエ・チャウシェスクの自伝」で知られるルーマニアの巨匠アンドレイ・ウジカが10年以上の歳月をかけて制作。ニュース番組や個人の8ミリフィルムから抜粋したアーカイブ素材で構成した映像に、フランス人アーティストのヤン・ケビによるアニメーション、主人公の詩人ジェフリー・オブライエンとヒロインのモデルとなったジュディス・クリステンの個人的な文章、ウジカ監督自身が1972年に書いた詩を用いた声を加え、歴史から消え去ってしまう、はかなくも忘れがたい瞬間を想像力豊かによみがえらせた。(2023年製作/85分/フランス・ルーマニア合作)

(C)LES FILMS CAMÉLIA, MODERN ELECTRIC PICTURES, TANGAJ PRODUCTION, ARTE FRANCE CINÉMA, L’INSTITUT NATIONAL DE L’AUDIOVISUEL, 2024


ヒトラーの毒見役

ドイツ人女性マルゴット・ベルクの証言に基づいて執筆された世界的ベストセラー小説「ヒトラーの毒見役」を原作に、ナチスからヒトラーの毒見役を命じられた女性たちの運命を描いたドラマ。戦争の恐怖を女性の視点からとらえ、毒見役として日々を共にする女性たちの間で揺れ動く関係性を映し出す。1943年、第2次世界大戦末期。ローザはベルリンの爆撃を逃れ、ポーランドの田舎町で戦地にいる夫の帰りを待っていた。その場所は、ヒトラーが総統大本営を置いていた「狼の巣」と呼ばれる森の近くだった。ある日ローザは、ヒトラーが食事する前に毒見をする任務を命じられ、他の若い女性たちとともに、親衛隊による監視のもと銃を突きつけられながら食事をすることになる。彼女たちはヒトラーのために用意された最高級の料理を、死と隣り合わせの最悪な状況で試食するという苦悩に満ちた日々を過ごす。そして1944年7月、総統大本営でヒトラー暗殺を狙うクーデターが起こり、戦局は混迷を極めていく。Netflixシリーズ「皇妃エリザベート」のエリーザ・シュロットがローザ役で主演を務め、「マトリックス レザレクションズ」などのマックス・リーメルトがナチス親衛隊将校役で共演。「エマの瞳」「ベニスで恋して」などで知られるイタリアの映画監督シルビオ・ソルディーニがメガホンをとった。(2025年製作/123分/PG12/イタリア・ベルギー・スイス合作)

©2025 Lumière & Co. / Tarantula / Tellfilm / Vision Distribution


白パンと独裁者

「女は二度決断する」「愛より強く」などで知られるドイツの名匠ファティ・アキンが、第2次世界大戦末期のドイツを舞台に、母の願いをかなえるべく奔走する12歳の少年の姿を通して時代の転換点をみずみずしく描いたドラマ。アキン監督の恩師であるドイツの俳優・映画監督・作家ハーク・ボームが自らの幼少期の体験をつづった自伝的小説を映画化した。第2次世界大戦末期の1945年。ドイツ北部のアムルム島は、本土へ向かう爆撃機が上空を飛び交いながらも、どこか楽園のような静寂を保っていた。この地に疎開してきた12歳の少年ナニングは、戦地から戻ってこない父に代わり、農作業を手伝い家族を支えている。そんなある日、妊娠中の母ヒレが、心酔するヒトラーの訃報を受けて絶望し、心身ともに崩壊してしまう。生気をなくし食事を拒む母が唯一口にしたいと願ったのは、たっぷりのバターとはちみつが塗られた白パンだった。「女は二度決断する」で主演を務めたダイアン・クルーガーが農場主のテッサ役で出演するほか、「アイヒマンを追え! ナチスがもっとも畏れた男」のローラ・トンケ、「システム・クラッシャー」のリーザ・ハークマイスター、「アーミー・オブ・ザ・デッド」のマティアス・シュバイクホファーが出演。(2025年製作/93分/G/ドイツ)

© 2025 Bombero International Gmbh & Co. Kg


トロフィー

在日コリアンの少女を主人公に、家族・友人との関係や、自らのルーツと向き合う日常を丁寧につむいだドラマ。是枝裕和監督率いる映像制作集団「分福」のメンバーとして是枝監督や西川美和監督の監督助手を務めてきた孫明雅が長編初メガホンをとり、在日コリアン3世である自身の経験や葛藤の記憶を出発点にオリジナルストーリーで描き出す。在日コリアンの14歳の少女ソヒは、朝鮮学校に通い、部活で朝鮮舞踊に打ち込む日々を過ごしている。ある日、日本学校との交流会で日本人の少女・未来と出会ったソヒは、K-POP好きという共通点から親しくなり、少しずつ外の世界とつながりを持ちはじめる。ソヒと未来はK-POPアイドルのライブチケット代を稼ぐため、ソヒの家にある不用品をフリマサイトで売ることにする。朝鮮学校の校長であるソヒの父サンジュが持っていた北朝鮮のCDが高値で売れたことに味をしめたふたりは、サンジュが祖国・北朝鮮から授与された勲章までも売ってしまう。自身も在日コリアンのルーツを持つ新人俳優・恒那が映画初主演を務め、1年にわたる朝鮮舞踊の稽古を重ねて撮影に挑んだ。ソヒの父サンジュ役で井浦新、母ミリョン役で市川美和子、朝鮮舞踊部の先生役でちすん、朝鮮学校の担任ホン先生役で笠松将が共演。(2026年製作/日本)

©2026 K2 Pictures


ハッシュ!

「二十才の微熱」「渚のシンドバッド」の橋口亮輔監督による長編第3作で、ゲイのカップルと1人の女性がつくる“新しい家族のかたち”を繊細かつユーモラスに描いた人間ドラマ。ペットショップで働くゲイの青年・直也は、気ままな毎日を過ごしながらも人生にどこか物足りなさを感じていた。土木研究所に勤める勝裕はゲイであることを周囲に隠しており、同僚女性からの好意を拒めない優柔不断な自分を情けなく思っている。歯科技工士の朝子は人との関わりをあきらめたような生活を送り、好きでもない男性と関係を持つことで空虚な気持ちをごまかしていた。直也と勝裕は付き合いはじめるが、朝子との偶然の出会いが、平穏にみえた彼らの関係を揺れ動かす。朝子は勝裕がゲイだと知ったうえで、子どもを産みたいので精子を提供してほしいと相談を持ちかける。朝子の決意は直也と勝裕、そしてそれぞれの家族の心に大きな波紋を広げていく。田辺誠一が勝裕、高橋和也が直也、片岡礼子が朝子を演じ、秋野暢子、冨士眞奈美、光石研、つぐみ、沢木哲らが脇を固める。2001年・第54回カンヌ国際映画祭監督週間出品作。2026年7月、4Kリマスター版にてリバイバル公開。(2001年製作/135分/日本)

(C)2001 シグロ


ぐるりのこと。

「ハッシュ!」で国内外から注目された橋口亮輔監督の長編第4作で、ある夫婦の10年間におよぶ希望と再生の軌跡を、1990年代から2000年代初頭に世間を騒がせたさまざまな事件を背景に描いた人間ドラマ。小さな出版社に勤める生真面目な性格の妻・翔子と、マイペースに生きる夫・カナオ。美術大学出身のカナオはテレビ局で働く先輩の紹介で、法廷画家の仕事を始める。やがて夫婦の間には初めての子どもができるが、生まれてすぐに亡くなってしまい、翔子は心のバランスを崩していく。うつになった翔子を、カナオは全身で受け止めようとする。夫婦はさまざまな困難に直面しながらも、ともに乗り越えていく。妻・翔子役で木村多江、夫・カナオ役でリリー・フランキーがそれぞれ映画初主演。2009年・第32回日本アカデミー賞にて木村多江が最優秀主演女優賞、第51回ブルーリボン賞にてリリー・フランキーが新人賞を受賞した。倍賞美津子、柄本明、寺田農といったベテラン勢に加え、寺島進、安藤玉恵、八嶋智人ら個性的な俳優たちが脇を固めた。2009年・第59回ベルリン国際映画祭パノラマ部門出品作。2026年7月、4Kリマスター版にてリバイバル公開。(2008年製作/140分/日本)

(C)2008「ぐるりのこと。」プロデューサーズ


顔 かお

「新感染 ファイナル・エクスプレス」のヨン・サンホ監督が2018年に発表した自身初のグラフィックノベルを映画化したサスペンスミステリー。生まれつき目が見えないハンデを乗り越え、著名な篆刻家(てんこくか)となったイム・ヨンギュ。息子のドンファンは偉大な父を敬い、事業を陰ながら支えていた。そんなドンファンに、警察から40年前に消息不明になった母チョン・ヨンヒの遺体が地中深くから発見されたとの知らせが届く。ヨンヒは何者かに殺された可能性があるという。あるドキュメンタリー番組のプロデューサーの提案で、ドンファンは母の死の真相を探り始める。調査を進める中で、ドンファンはヨンヒが「醜い顔」をしていたという証言を次々と耳にし、ショックに打ちひしがれる。やがて、ドンファンは母の死をめぐるある事実に直面する。「ただ悪より救いたまえ」「密輸 1970」のパク・ジョンミンが主人公ドンファン役を務めたほか、回想シーンに登場する若き日のヨンギュ役も演じた。父ヨンギュ役は「小川のほとりで」のクォン・ヘヒョ、ヨンヒ役はヨン監督のNetflix映画「啓示」のシン・ヒョンビンが担当した。(2025年製作/103分/韓国)

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